ポタージュを垂れ流す。

マイペースこうしん

円上の点とその動点との距離の和

問題

原点を中心とする半径1の円の周上にA_1 (1,0)A_2 (0,1)A_3 (-1,0)A_4 (0,-1)と動点Pをとるとき,PA_1 +PA_2 +PA_3 +PA_4の最小値を求めよ.

解き方いろいろ

個人的に今週ホットな問題.まずは普通にやってみます.

解法1

P(\cosθ,\sinθ)とする.図形の対称性から,\displaystyle 0≦θ≦\frac{\pi}{2}としてよい.
PA_1 +PA_2 +PA_3 +PA_4
\ \ =\sqrt{(\cosθ-1)^2+\sin^2 θ}+\sqrt{(\cos^2 θ+(\sinθ-1)^2}+\sqrt{(\cosθ+1)^2+\sin^2 θ}+\sqrt{\cos^2 θ+(\sinθ+1)^2}
\ \ =\sqrt{2-2\cosθ}+\sqrt{2-2\sinθ}+\sqrt{2+2\cosθ}+\sqrt{2+2\sinθ}
\displaystyle \ \ =2\sin\frac{θ}{2}+2\cos\frac{θ}{2}+2\sin\left(\frac{\pi}{4}-\frac{θ}{2}\right)+2\cos\left(\frac{\pi}{4}-\frac{θ}{2}\right)
\displaystyle \ \ =2\sin\frac{θ}{2}+2\cos\frac{θ}{2}+2\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\cos\frac{θ}{2}-\frac{1}{\sqrt{2}}\sin\frac{θ}{2}\right)+2\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\cos\frac{θ}{2}+\frac{1}{\sqrt{2}}\sin\frac{θ}{2}\right)
\displaystyle \ \ =2\sin\frac{θ}{2}+(2+2\sqrt{2})\cos\frac{θ}{2}
\displaystyle \ \ =2\sqrt{4+2\sqrt{2}}\sin\left(\frac{θ}{2}+\alpha\right)
\displaystyle \ \ ≧2\sqrt{4+2\sqrt{2}}\sin\alpha *1
\displaystyle \ \ = 2(1+\sqrt{2})
ただし,\displaystyle \sin\alpha=\frac{1+\sqrt{2}}{\sqrt{4+2\sqrt{2}}},\cos\alpha=\frac{1}{\sqrt{4+2\sqrt{2}}}
よって求める最小値は\displaystyle 2(1+\sqrt{2})

解法2

って感じで上のように,普通にできそうですよね.でも,三角関数使うとルートの中に三角関数出てきたりとか正弦を余弦に変換するのに\frac{\pi}{2}から引くとかやらないといけなくてなんかイヤじゃないですか?僕は嫌ですw 三角関数なんて使わなくても出ませんかね?ってことで三角関数禁止ルールで色々考えてみた.

解法2-1

図形の対称性から弧A_1 A_2上に点Pがあるとしてよい.四角形PA_2 A_3 A_4にトレミーの定理を用いて
 PA_2 \cdot A_3 A_4 + PA_4 \cdot A_2 A_3 = PA_3 \cdot A_2 A_4
 PA_2 \cdot \sqrt{2} + PA_4 \cdot \sqrt{2}= PA_3 \cdot 2
\therefore PA_2 + PA_4  = \sqrt{2}PA_3
四角形PA_1 A_4 A_3にトレミーの定理を用いて,
PA_1 \cdot A_3 A_4 + PA_3 \cdot A_1 A_4 = PA_4 \cdot A_1A_3
PA_1 \cdot \sqrt{2} + PA_3 \cdot \sqrt{2}= PA_4 \cdot 2
\therefore PA_1 + PA_3  = \sqrt{2}PA_4
A_3 A_4の中点をMとすると,A_3 M=A_4 M=lとする)である.
四角形PA_3 M A_4にトレミーの定理を用いて,
PA_3 \cdot A_4 M + PA_4 \cdot A_3 M = PM \cdot A_3 A_4
PA_3 \cdot l + PA_4 \cdot l= PM \cdot \sqrt{2}
\displaystyle \therefore \sqrt{2}PA_3 + \sqrt{2}PA_4  = \frac{2}{l}PM
以上の式から, PA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_4  = \sqrt{2}PA_3 + \sqrt{2}PA_4 \ = \frac{2}{l}PM
となるから,PMが最小となる点を調べると,弧A_1 A_2に点Pが存在している場合は,点PA_1A_2に一致するときにPMは最小となることがわかる.
よって,Pが円周全体を動く時,点PA_1A_2A_3A_4のいずれかに一致するときにPA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_4は最小となり,その値は,2(1+\sqrt{2})

これだとなんとなく直感的にわかりますよね,個人的には線の長さの和を1つの線の長さに一致させて考えられるってのが直感的にわかりやすくで好きです.紙とかなくても頭の中である程度は計算できますしね.ただしっかり書くとなると式の数がちょっと多くなってしまうのが難点な気もします.なお,この解法では新しく点Mを取りましたが,下のように取らなくても答えは出ます.

解法2-2

図形の対称性から弧A_1 A_2上に点Pがあるとしてよい.四角形PA_2 A_3 A_4にトレミーの定理を用いて
 PA_2 \cdot A_3 A_4 + PA_4 \cdot A_2 A_3 = PA_3 \cdot A_2 A_4
 PA_2 \cdot \sqrt{2} + PA_4 \cdot \sqrt{2}= PA_3 \cdot 2
\therefore PA_2 + PA_4  = \sqrt{2}PA_3
四角形PA_1 A_4 A_3にトレミーの定理を用いて,
PA_1 \cdot A_3 A_4 + PA_3 \cdot A_1 A_4 = PA_4 \cdot A_1A_3
PA_1 \cdot \sqrt{2} + PA_3 \cdot \sqrt{2}= PA_4 \cdot 2
\therefore PA_1 + PA_3  = \sqrt{2}PA_4
四角形PA_1 A_4 A_2にトレミーの定理を用いて,
PA_1 \cdot A_2 A_4 + PA_2 \cdot A_1 A_4 = PA_4 \cdot A_1A_2
PA_1 \cdot 2 + PA_3 \cdot \sqrt{2}= PA_4 \cdot \sqrt{2}
\therefore 2PA_1 + \sqrt{2}PA_3= \sqrt{2}PA_4
四角形PA_1 A_3 A_2にトレミーの定理を用いて,
PA_1 \cdot A_2 A_3 + PA_2 \cdot A_1 A_3 = PA_3 \cdot A_1A_2
PA_1 \cdot \sqrt{2} + PA_2 \cdot 2= PA_3 \cdot \sqrt{2}
\displaystyle \therefore \sqrt{2}PA_1  + 2PA_2 = \sqrt{2}PA_3
以上の式から, PA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_4  = (1+\sqrt{2})(PA_1 +PA_2)
ここで,PA_1+PA_2≧A_1A_2=\sqrt{2}であり,点PA_1A_2に一致するときに等号成立するので,このときPA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_4は最小値をとり,その値は,2(1+\sqrt{2})

解法3

解法2-2の最後でPA_1+PA_2≧A_1A_2ってのを使ったけど,だったらPA_3+PA_4が最小になるのも点PA_1A_2に一致するときだって言えばいいんじゃね?っていうのが次のやつ.

図形の対称性から弧A_1 A_2上に点Pがあるとしてよい.A_3A_4を直径とする円を考える.その円とPA_4との交点をQとしておき,A_3 Q=xとすると,1≦x≦\sqrt{2}.このとき,f(x)はこの範囲で連続で,PA_3=\sqrt{2}xPQ=xA_4 Q=\sqrt{A_3 A_4 ^2-A_3 Q ^2}=\sqrt{2-x^2}であるから,*2
PA_3+PA_4=(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2-x^2}
となる.f(x)=(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2-x^2}とすれば,
\displaystyle  f’(x)=1+\sqrt{2}-\frac{x}{\sqrt{2-x^2}}
\displaystyle f’'(x)=-\frac{\sqrt{2-x^2}-x\frac{-x}{\sqrt{2-x^2}}}{\sqrt{2-x^2}}=-\frac{2}{2-x^2}<0
からf(x)は上に凸なので,区間の端点のいずれか(もしくは両方)が最小となるものである.計算してみるとf(1)=f(\sqrt{2})=2+\sqrt{2}で,どちらも最小.このとき,点PA_1またはA_2に一致する位置にある.
よってPA_3+PA_4≧2+\sqrt{2}
また,PA_1+PA_2≧A_1A_2=\sqrt{2}であり,点PA_1A_2に一致するときに等号成立.
これらの等号成立条件は一致しているから,これらを辺々足し合わせ,
PA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_4≧2(1+\sqrt{2})
PA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_42(1+\sqrt{2})で最小値をとる.

余計面倒になってる気もするんですけど,うん,まあいいじゃないですか. f:id:potaxyz:20180527115239p:plain

解法4

より直感的にいけないかって考えたやつ.twitterでアドバイスをもらってやってみたやつ.

PA_1+PA_2≧A_1A_2=\sqrt{2}であり,点PA_1A_2に一致するときに等号成立.
A_3A_4を焦点とする楕円を考えると,長軸は直線A_3 A_4上に,短軸は線分A_3 A_4の垂直二等分線上にある.このとき,短半径が小さければ小さいほど弧A_1 A_2の端点に近いところと交点を持ち,焦点からの距離の和は小さくなる.*3よって,点PA_1A_2に一致するときにPA_3+PA_4は最小となり,その値は2+\sqrt{2}である.
よって,PA_1+PA_2PA_3+PA_4の最小値をとる条件は一致するので,PA_1 + PA_2 + PA_3 + PA_42(1+\sqrt{2})で最小値をとる.

答えを見つけるだけならこれで考えればわりと妥当な感じでいけそうですね.どう書いて説明するかは...?難しそうw

*1:条件の範囲で\displaystyle \sin\left(\frac{θ}{2}+\alpha\right)は上に凸なので両端を調べると,\displaystyle θ=0,\frac{\pi}{4}ともに同じ値となります

*2:しっかりやるならx=\sqrt{2}は分けて考える

*3:長半径は短半径をパラメータとして単調増加関数です