問題
原点を中心とする半径1の円の周上に,,,と動点Pをとるとき,の最小値を求めよ.
解き方いろいろ
個人的に今週ホットな問題.まずは普通にやってみます.
解法1
とする.図形の対称性から,としてよい.
*1
ただし,
よって求める最小値は
解法2
って感じで上のように,普通にできそうですよね.でも,三角関数使うとルートの中に三角関数出てきたりとか正弦を余弦に変換するのにから引くとかやらないといけなくてなんかイヤじゃないですか?僕は嫌ですw 三角関数なんて使わなくても出ませんかね?ってことで三角関数禁止ルールで色々考えてみた.
解法2-1
図形の対称性から弧上に点があるとしてよい.四角形にトレミーの定理を用いて
四角形にトレミーの定理を用いて,
弧の中点をとすると,(とする)である.
四角形にトレミーの定理を用いて,
以上の式から,
となるから,が最小となる点を調べると,弧に点が存在している場合は,点がかに一致するときには最小となることがわかる.
よって,が円周全体を動く時,点が,,,のいずれかに一致するときには最小となり,その値は,.
これだとなんとなく直感的にわかりますよね,個人的には線の長さの和を1つの線の長さに一致させて考えられるってのが直感的にわかりやすくで好きです.紙とかなくても頭の中である程度は計算できますしね.ただしっかり書くとなると式の数がちょっと多くなってしまうのが難点な気もします.なお,この解法では新しく点を取りましたが,下のように取らなくても答えは出ます.
解法2-2
図形の対称性から弧上に点があるとしてよい.四角形にトレミーの定理を用いて
四角形にトレミーの定理を用いて,
四角形にトレミーの定理を用いて,
四角形にトレミーの定理を用いて,
以上の式から,
ここで,であり,点がかに一致するときに等号成立するので,このときは最小値をとり,その値は,.
解法3
解法2-2の最後でってのを使ったけど,だったらが最小になるのも点がかに一致するときだって言えばいいんじゃね?っていうのが次のやつ.
図形の対称性から弧上に点があるとしてよい.とを直径とする円を考える.その円ととの交点をとしておき,とすると,.このとき,はこの範囲で連続で,,,であるから,*2
となる.とすれば,
,
からは上に凸なので,区間の端点のいずれか(もしくは両方)が最小となるものである.計算してみるとで,どちらも最小.このとき,点はまたはに一致する位置にある.
よって.
また,であり,点がかに一致するときに等号成立.
これらの等号成立条件は一致しているから,これらを辺々足し合わせ,
はで最小値をとる.
余計面倒になってる気もするんですけど,うん,まあいいじゃないですか.
解法4
より直感的にいけないかって考えたやつ.twitterでアドバイスをもらってやってみたやつ.
であり,点がかに一致するときに等号成立.
とを焦点とする楕円を考えると,長軸は直線上に,短軸は線分の垂直二等分線上にある.このとき,短半径が小さければ小さいほど弧の端点に近いところと交点を持ち,焦点からの距離の和は小さくなる.*3よって,点がかに一致するときには最小となり,その値はである.
よって,との最小値をとる条件は一致するので,はで最小値をとる.
答えを見つけるだけならこれで考えればわりと妥当な感じでいけそうですね.どう書いて説明するかは...?難しそうw